法人格否認の法理

こんばんは。武田会計事務所の武田です。
先日、テレビを見ているとミナミの帝王のドラマが放送されていました。昔、学生の頃に教授がミナミの帝王とナニワ金融道は勉強になる方読んでみたらといっていたのを思い出して暫く見ていました。ナニワ金融道は昔全巻読んだことがあります。一方でミナミの帝王は漫画では読んだことがありませんでしたが、面白い内容でした。お勧めです。
さて、こないだ見ていたミナミの帝王では、会社を設立した方が、定款の目的事項とは全く無関係な事業を行っていた場合に、その社長から、主人公萬田銀次郎がどうやって貸したお金を回収するのかというストーリーでした。萬田氏曰く「お宅の会社は設立無効じゃ。法人格否認の法理は最高裁でも認められた法理じゃ」と。なかなか専門的なことをいうなあと感心しました。法人格否認の法理というのは会社が形骸化して実態のない場合、法人格の利用が社会的目的に反する場合、法の適用を回避するために法人格が濫用される場合、その法人格を否認する法理とされ今回のケースでは会社の設立は無効とされます。その場合、株式会社の有限責任(出資額までした債務を負わない)は適用されず、社長個人が萬田金融から借入金を行ったこととみなされ、個人として社長は借金を返済すぅる必要が出てくるという結論になります。
この法人格否認の法理ですが新会社法の制定により今後ますます重要な法理になってくると思われます。これまで有限責任を前提として法人格を乱用するようなケースを防止することが求められましたが、現在では最低資本金が撤廃され、設立当初から資金力のない会社が乱立してくることが予想されるからです。
大阪の下世話な金融屋の漫画と思ったら大間違い。結構専門的な内容まで楽しみながら学べる素晴らしい漫画だと思いました。
ちなみにナニワ金融道は著者の青木 雄二さん亡き後、弟子たちが新ナニワ金融道として現在も連載をしています。こちらはいつも新刊を楽しみにしています。

武田会計事務所 の紹介

武田会計事務所 大阪市北区西天満4丁目12-11-303
カテゴリー: 未分類   パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です