税務援助が従事義務化へ

税理士法改正は平成25年度税制改正大網で「検討事項」として取り上げられたものの、詳細な改正内容の審議は来年の国会に持ち越される状況になっている。そのため、日税連・日税政は、すでに「平成26年度改正」そ視野に入れて活動している。3月27日には税理士法改正に関する要望書をまとめた。
この要望書には、公認会計士や弁護士に対する「税理士資格自動付与制度」の見直しをはじめとして、12項目にわたる要望が記された。ほとんどの要望は25年度改正要望項目を踏襲したものだが、使われている文言が変更されているのが税務援助への従事に関するものだ。
日税連が納税者と利便性の向上と税理士制度の維持・発展を図る施策と位置付けている「税務支援」は、経済的弱者に対する「税務援助」と、税務援助対象者以外で原則として税理士等の関与がない納税者に対して実施する「税務指導」を指す。
このうち税理士法改正で見直しが予定されているのは税務援助で、25年度要望では従事について「努力義務」とされていたものが今回は「義務」に書き換えられている。
これについて日税連の役員は、「税務援助に関する26年度税理士法改正要望は、数年前から視野にいれていた見直しの着地点が記されているだけのこと」と説明する。元々義務化が規定路線だったものの、その前段階として努力義務化とされていたに過ぎないというわけだ。
この税務援助業務への従事義務化に関して現場の税理士はどのような見方をしているのだろうか。
あるアンケートでは「税理士相談会等を手伝うのは当然だ」という質問に、はい=72%と、積極的な参加を考える税理士が多数派となった。
コメント欄には、「多くの人、多くの事例に出会い、仕事の幅も広がり、人生も豊かになる」「いい意味で社会への広告宣伝効果はある」といった前向きな回答が挙げられる。従事した税理士自身や税理士制度のPR効果があり、ビジネスチャンスや経験蓄積につながるとすれば、事務所戦略として積極的に参加することも考えられる。また、従事した場合に受け取る報酬について、「地方のせいか、報酬もそんなに安いと思わない」「労力に見合うかどうかは別として、悪くない小遣い稼ぎになっている」とする意見もあった。
税務支援従事の肯定派のなかには、税務支援をしなければ税理士業務のあり様が変わってしまうという意見を持つ人もいる。他にもこのような意見がある。「税理士は税理士法上で 無償独占 という権利を有している。相談会をやめれば、税理士の職域を狭めることになるのではないか」といった懸念があった。日税連でも税務支援について、「社会公共的使命を果たす」「納税者との信頼関係を醸成」「税理士制度を維持・発展」といった意義を強調するとともに、「ひいては税理士業務の無償独占性の担保につながると考えている」と付け加えている。

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