登録政治資金監査人について

東京ではとうとう舛添都知事に不信任決議案が提出されました。辞任は不可避の状況になったとの報道でされています。

ことの発端は収支報告書に記載されている支出に不透明な項目が数多く見つかったこととのことです。

舛添都知事に限らず、政治団体の収支報告に問題ありという報道される政治家は多数います。

この問題は、我々、税理士にとっても責任の一端があります。それは登録政治資金監査人という制度です。

登録政治資金監査人の有資格者は税理士、弁護士、公認会計士とされており、圧倒的に税理士資格により登録している監査人が多いというのが現状です。

事実、税理士連合会のホームページにも「日本税理士会連合会は、社会貢献の観点から、当該制度が円滑に実施されるよう税理士の登録政治資金監査人への就任を積極的に推進することとしています。」として、税理士への登録を促しています。

監査の対象となるのは国会議員関係の政治団体のみですが、舛添都知事に関しては、国会議員時代の政治団体まで遡って問題が指摘されており、当然、当時は監査人による監査を受けていたということになります。

残念ながら、現在は監査対象ではありませんが、仮に都知事や地方議員まで監査対象が広がったとしても、結果は同じことだっただろうと思います。

税理士連合会ホームページからの抜粋になりますが「登録政治資金監査人は、監査マニュアルに定める手続きに従って政治資金監査を行うが、意見表明や政治資金の使途の妥当性の評価は求められてはおらず、守秘義務と虚偽記載についてのみ責任を負う」ことになっており、通常、我々が日々行っている会計業務である、これは経費として認められるべきものか否かという法的な判断は不要となっています。端的にいえば、出された領収書と報告書に記載されている金額が同じかどうかだけをチェックするということで、それが何を目的として使用しているかということは監査の対象にはなっていません。

結果として、監査は金額の突合わせだけで終わるため、こなれた会計担当者であればいくらでも騙せる監査ということになります。

では、これを内容まで含めて監査対象にすべきかと言われると、一般の税理士や公認会計士、弁護士には酷な気がします。そうすると今度は、多くの税理士は政治資金監査人への就任を敬遠することになりかねません。

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